(C)2017「メアリと魔女の花」製作委員会

『メアリと魔女の花』とジブリは似てる?似てない?【ネタバレ解説あり】

2018年8月31日更新

2017年に公開された『メアリと魔女の花』で一番話題になっていることといえば「ジブリ」との関係性。この記事では、本作と「ジブリ」との似ている点と異なっている点、そしてこの作品の製作意図について徹底紹介していきます。

『メアリと魔女の花』は本当にジブリとそっくり......なのか?

『メアリと魔女の花』といえばジブリとの関係性が気になるところ。また、パクリ疑惑で世間を賑わしたことでも有名です。 今回は、本作のジブリにそっくりな点と、逆に似ていない点を一挙解説していきます。

ジブリ作品を彷彿させるシーンが盛り沢山!【ネタバレあり】

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似ていると言われる最大の理由は、ジブリの過去作を彷彿させるシーンが多々出てくること。勿論このことには、明確な理由が存在します。 実は、製作に関わったスタッフの大半が元スタジオジブリで働いていた人たち。なぜこうなったのかというと、ジブリ制作部門が2014年に解散したことが全ての起因となっています。 部門解散後には多々のスタッフがスタジオジブリを去りました。そしてその翌年に、ジブリを退社した西村義明を筆頭に、米林宏昌など元スタジオジブリ関係者を集めて「スタジオポノック」という制作会社を立ち上げたのです。このことから、ジブリ要素が詰まってしまうのは当たり前かもしれません。 ここから、具体的なシーンを幾つか紹介していきます。

エンドア大学を覆う巨大雲......【雲の上の世界といえば?】

まずは、メアリが魔女の国に迷い込むシーンについて。 箒にまたがって空を飛ぶメアリは、巨大な積乱雲に遭遇します。そして、荒れ狂う雲の中を突っ切ったその先に、天空に存在する魔女の国が現れます。この展開や描写はまさに『天空の城ラピュタ』そのものです。

エンドア大学に向かうための危険な階段

エンドア大学の校長に会うために、階段を恐る恐る登るメアリのシーンは、『千と千尋の神隠し』に酷似してます。 『千と千尋の神隠し』の主人公・千尋は釜爺のところへ向かう途中、外にせり出している危険な階段を降りる羽目になります。その時の様子も本作と同様に恐怖心でいっぱいとなった主人公の姿が描かれています。 このシーンの違いは階段を登っているか降りているか、ただそれだけでしょう。

動物が一斉に走っているあのシーン

野生の動物たちが群れをなして一斉に走っているあのシーンは、『もののけ姫』を彷彿とさせます。 また、メアリが鹿に乗ってピーターの元へ向かっているシーンは、『もののけ姫』での主人公、アシタカの相棒である「ヤックル」を思い出さざるを得ないかもしれません。

エンドア学校の校長、マダム・マンブルチュークの登場

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エンドア大学の校長・マダム・マンブルチュークの登場シーンでもどこか既視感があるかもしれません。なぜなら、『崖の上のポニョ』での生き物の姿になった水が動くシーンと、『メアリと魔女の花』での水が校長の姿となって動くシーンが酷似しているから。 さらに、メアリを追いかける敵も魚の形をした水のようなキャラクターとなっており、『崖の上のポニョ』の登場人物たちとそっくりです。

『メアリと魔女の花』は単なる『魔女の宅急便』のパクリではない!【似て非なるもの】

度々耳にするのが、本作はジブリ『魔女の宅急便』のパクリなのではないか?という噂です。それもそのはず、本作のポスターには”魔女、ふたたび”と書かれており、『魔女の宅急便』を意識していることを公に示しています。 しかし、実際にパクリなのかというとどうやらそういうわけではなく、寧ろ『魔女の宅急便』と対照的な作品になっています。 そのことが一番わかりやすく表現されているのがクライマックスシーン。ピーターを助ける際に発したメアリの一言、「魔法なんていらない!」という言葉に想いが凝縮されています。そう、『魔女の宅急便』は魔法の力をつけていく物語に対して、本作は魔法の力を捨てるのです。ここに大きな差があると言えます。

『メアリと魔女の花』の製作は、ジブリからの脱却を意図していた?

とあるインタビューで米林監督は「一番やりたかったことは、自分の力で道を切り開いていくこと。スタジオジブリという“魔法”を使って映画を作っていた僕たちが、その力をなくしてしまった後、どんな映画を作れるのだろうかと」と語っています。 つまり、あえてジブリのオマージュを取り入れた上で「魔法なんていらない!」という台詞をラストで盛り込み、ジブリの世界観を捨て去るのです。そう考えると本作は、かつてスタジオジブリという魔法の世界に浸っていた自分たちが、その脱却した姿を世間に見せるために作ったのではないかと思われます。 何かに帰依しなくとも、自分たちの力で切り拓けるんだ!という強い意志を表明することで、観客に勇気を与える作品と言えるかもしれません。

『メアリと魔女の花』とジブリは大いに関係あり!

メアリと魔女の花
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いかがでしたか?『メアリと魔女の花』はスタジオジブリがあってこその作品だということが伝わったのではないのかと思います。 しかし、単にジブリのつぎはぎ作品ではなく、明確な意図のもと作られたアニメだということはお忘れなく!スタジオポノックならではの面白さもたくさん詰まっている『メアリと魔女の花』は、是非一度は観て欲しい映画です。