「ワンピース」ビンクスの酒の伏線を徹底考察!歌詞の意味を紐解くと「ラフテル」への道が?
「ワンピース」に登場する海賊たちに歌い継がれている「ビンクスの酒」。陽気な海賊の歌が伏線の嵐と言われている理由とはなんなのでしょうか? 本記事ではその歌詞を紐解きながら、曲が作られた意味や曲を作った人物、ビンクスという言葉の意味など、考えうる仮説を考察します。 ※この記事は2022年9月現在までの『ONE PIECE』のネタバレを含みますので、読み進める際は注意してください。またciatr以外の外部サイトでこの記事を開くと、画像や表などが表示されないことがあります。
「ワンピース」のビンクスの酒とは?
「ビンクスの酒」は作中で50年以上歌い継がれている有名な舟唄。ロジャーやシャンクスといった歴代の大物たちも歌っていたと言及されている曲です。 歌詞は全部で6番まであり、誰がいつ作った曲かは不明。麦わらの一味の中でもブルックを象徴する楽曲になっていますが、ビンクスという言葉の意味や綴りも不明で、これらの謎が伏線につながっているのでは?とファンの考察欲を掻き立てています。
ビンクスの酒は何話に登場する?
「ビンクスの酒」が初めて登場したのはコミックス50巻第486話。スリラーバーク篇で仲間となったブルックがこの曲を演奏しました。漫画ではわざわざページを割いて全歌詞が掲載されたので、印象に残っている人も多いでしょう。
【伏線】歌詞に込められた伏線まとめ
まずはビンクスの酒の歌詞から伏線と思われるものを解説していきます。歌詞全文を確認したい人は下を開いてくださいね。
ビンクスの酒を 届けにゆくよ
海風 気まかせ 波まかせ
潮の向こうで夕日も騒ぐ
空にゃ 輪をかく鳥の唄
さよなら港 つむぎの里よ
ドンと一丁唄お 船出の唄
金波銀波も しぶきにかえて
おれ達ゃゆくぞ 海の限り
ビンクスの酒を 届けにゆくよ
我ら海賊 海割ってく
波を枕に 寝ぐらは船よ
帆に旗に 蹴立てるはドクロ
嵐がきたぞ 千里の空に
波がおどるよ ドラムならせ
おくびょう風に 吹かれりゃ最後
明日の朝日が ないじゃなし
ヨホホホ ヨホホホ ×4
ビンクスの酒を 届けにゆくよ
今日か明日かと宵の夢
手をふる影に もう会えないよ
何をくよくよ 明日も月夜
ビンクスの酒を 届けにゆくよ
ドンと一丁唄お 海の唄
どうせ誰でもいつかはホネよ
果てなし あてなし 笑い話
ヨホホホ ヨホホホ ×4
1番「輪をかく鳥の唄」
港を歌う1番に登場する「輪をかく鳥の唄」。「輪をかく鳥」=菊輪と鶴を描く光月家の家紋である可能性が濃厚です。この歌に光月家が関係していそうです。 1番に光月家=ワノ国が登場するということで、ビンクスの酒を届けたい人はワノ国の出身者である、またはビンクスの酒の出発点がワノ国である、という考察ができます。 ビンクスの酒が何かの暗喩だとしたら、ワノ国に鍵を握る何かがありそうですね。
2番「さよなら港 つむぎの里よ」
2番で船は港に別れを告げ出発します。「つむぎの里」は着物文化のあるワノ国とも考えられますが、紡ぐ=繋いでいくものと捉えると、物語(または意志)を紡ぎながらその先を目指すとも考えられそう。 ワノ国から出発した「なにか」が、港から出てその先を目指すと捉えられるこの歌詞ですが、『ONE PIECE』でよく出てくる「意志は受け継がれる」という点と合致しそうです。
3番「海割ってく」4番「千里の空」
海を歌う3番、嵐を歌う4番ではそれぞれこの歌詞が登場します。海が割れた光景といえばエニエス・ロビー、千里の空では空島が想像できます。麦わらの一味のこれまでの旅路を連想させますね。 単純に考えれば、これまでの物語を振り返る意味合いととれますが、ルフィたちが辿ってきた航路に、なにか意味があったとも考えられます。
4番「ドラムならせ」
ドラムといえばジョイボーイの帰還=ルフィ覚醒の際の、解放のドラム。「ならせ」と言っているので、ジョイボーイを受け継ぎし者に覚醒を促しているようなニュアンスでしょうか。 ルフィがジョイボーイだったこと、ゴムゴムの実に隠された秘密があったという伏線は、単行本50巻の段階で既に示されていたのですね。
6番「果てなし あてなし 笑い話」
最後の歌詞として登場する「笑い話」は英語で「Laugh Tale」。映画「スタンピード」で終着点ラフテルの綴りがLaugh Taleであることが判明しています。歌詞の「笑い話」はラフテルを指しているのかもしれません。 ラフテルと名付けられた最後の島は、ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)が眠るとされる、冒険の終着地点です。ビンクスの酒の最後に「笑い話」が登場するのは、決して偶然ではないでしょう。
【考察】ビンクスの酒は「ラフテルへの航路」を歌っている?
届けようとするビンクスの酒はポーネグリフに関係する?
歌では一貫して「ビンクスの酒を届けに行くよ」と歌っています。 1番の港で光月家の存在が示唆されていますが、光月家は800年前にポーネグリフを作った一族。ビンクスの酒がポーネグリフを表しているとすると、ポーネグリフを終着点=ラフテル(笑い話)へ届けることを歌った曲だと考えられます。
歌詞全体がラフテルまでの旅路?
歌のラストが「笑い話」になっていることを素直に受け取ると、歌全体がラフテルへの旅路を歌っている可能性も。 1番で光月家を連想させる歌詞があるのは、かつてロジャーが古代文字を読める光月おでんに導かれてラフテルに到達したように、ラフテル到達にはポーネグリフを解読できる者の手助けが必要ということを表しているのかもしれません。
【考察】ビンクスの酒は誰が作ったのか?
ただの歌ではなく、歌詞に意味が隠されている可能性が浮上したビンクスの酒ですが、そうなると気になるのは、誰がビンクスの酒を作ったのか?という点です。 ビンクスの酒は50年以上前から海賊に親しまれている歌なので、製作者は現代では生きている可能性は低いです。 50年以上前というとロジャーよりも前の時代に活躍した人物と考えられるので、ロジャーより先に最後の島(ラフテル)に辿り着き、ロジャーと同じように財宝を自分のものとせず、後世に歌としてラフテルの旅路を遺したのではないでしょうか。
ジョイボーイからのメッセージ?
「ドラムならせ」からジョイボーイがこの歌を作った可能性も浮上しました。800年後に再来するジョイボーイ=ルフィが世界の真相に届くよう、歌に乗せてヒントを語り継いでくれたという説も考えられます。 なぜ歌にして遺したのか、という疑問もありますが、やはり知られるとまずかったからではないでしょうか。世界政府は空白の100年を始め、都合の悪い事実を抹消しているので、現在の政府に揉み消されないように、密かに受け継がせた可能性があります。 歌の中で海賊やドクロが出てくるのも、アウトローの人物をあえて指定しているとすれば、体制側にとって不都合な真実が隠されていてもおかしくありません。
【考察】「ビンクス」の意味は?
ビンクスは「空白の100年」に存在した国の名前?
上記の考察に共通して言えるのは、「ビンクスの酒」に乗せてラフテルまで何かを届けるという点です。 この何かが、ジョイボーイなのかポーネグリフなのかはまだ謎のままですが、歌を作った人物は、陽気な歌に乗せて重要なメッセージを残したかったと考えるのが妥当でしょう。 わざわざ歌にした理由は、世界政府の目をかいくぐるため。そして世界政府が必死に隠そうとしているものは「空白の100年」です。 「空白の100年」といえば、クローバー博士は生前その100年で消えた巨大な王国の存在を指摘していました。この王国こそ「ビンクス」という名だったのではないでしょうか。
ビンクスの語源とは
ビンクスの語源としてファンの間では ①絆やつなぐを意味するvinculum説 ②どんちゃん騒ぎを意味するbinge説 が挙がっています。 ①だと酒で人と人をつなぐ=「ひとつなぎ」となり、意外とあり得そうな気も。 また未だ謎の多いシャンクスと語感が似ていることもあって、ビンクスはシャンクスの祖先説もささやかれています。
ビンクスの酒の元ネタ
元ネタは明言されていませんが、「ビンクスの酒」で思い浮かぶのは、海賊の歌で有名なディズニーのアトラクション「カリブの海賊」です。「YO-HO」という歌詞は、「ビンクスの酒」の「ヨホホホ」に該当しますが、曲や歌詞の雰囲気はだいぶ違いますね。 「YO-HO」という掛け声自体は海賊の掛け声として一般的なものです。この曲が元ネタかどうかは分かりませんが、「カリブの海賊」を通じて麦わらの一味ら海賊の生き様を感じることはできるかもしれません。
ビンクスの酒“ロジャー海賊団版”がアツい
アニメ版の第967話「生涯をかけて!ロジャーの冒険」では、演出としてビンクスの酒をロジャー海賊団全員で歌うシーンが登場しました。シーンはワノ国篇でのおでんの過去回想、ロジャー海賊団に同行して最後の島を目指し、各地を旅するシーンです。 ロジャー海賊団が楽しそうに旅をする中で、同時に歌われたビンクスの酒は、長年のファンを中心に大好評で、Twitterでトレンド入りするほどでした。 ビンクスの酒を歌うのは豪華声優陣が演じるロジャー海賊団で、ロジャー役の津嘉山正種・おでん役の石丸博也、ギャバン役の森川智之など、錚々たる顔ぶれです。 このニクイ演出に話題となったロジャー海賊団版のビンクスの酒ですが、後の海賊王であるロジャーの旅路で出てくるという演出に、「やはりビンクスの酒には隠された情報があるのでは…?」と考察するファンも存在します。
ビンクスの酒の作詞作曲者は?
「ビンクスの酒」の作詞は原作者の尾田栄一郎です。ブルックがメインとなるスリラーバーク篇を構想中に、尾田はアニメ「ワンピース」の音楽を手掛ける田中公平に作曲を依頼したとのこと。 尾田曰くこの曲は「学校の教科書に載る曲」を目指していたそうですが、禁止ワード「酒」がガッツリ入ってしまっていました。禁止ワードを後から知った尾田は残念だったそう。
ビンクスの酒をウタ(ado)が歌う!
— Ado (@ado1024imokenp) August 1, 2022
最新映画(2022年9月現在)である『ONE PIECE FILM RED』のメインキャラクターを務めるウタ(ado)が歌うビンクスの酒が、なんとアルバム「ウタの歌 ONE PIECE FILM RED」に収録されています。 世界の歌姫・ウタの歌唱パートを演じたadoは、今最も注目されている若手の歌手。映画のコメンタリーでも、「歌いながら、ウタの中の感情に触れ、彼女に近づいていった」とコメントするほど、歌を通じてウタを熱演しています。 そんなウタ(ado)が歌うビンクスの酒が、「RED」の劇中で登場した数々の名曲と共に収録されているので、『ONE PIECE』ファンは必聴です!
ビンクスの酒の伏線は「ワンピース」の重要な謎!
「ワンピース」に登場する舟唄「ビンクスの酒」について考察を交え紹介しました。ストーリーが進み新たな真相が明らかになる度、考察が捗る「ビンクスの酒」。本編最終章突入でその謎の全貌が明らかになる日もそう遠くなさそうですね!