2025年8月4日更新

『もののけ姫』の名言集!自然と文明の共存に迫る数々のセリフを名シーンとともに振り返る

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『もののけ姫』

宮崎駿によるスタジオジブリのアニメーション映画『もののけ姫』は、1997年の公開から現在にわたって高い人気を誇っています。 少年アシタカと、犬神(山犬)に育てられた少女サンの出会いから動き出す物語の中に内包される、「自然と人間」という永遠のテーマ。グロテスクなシーンも交えながら、美しくも過酷な“生”を圧倒的な映像美で描きだしました。 この記事ではそんな本作の心に残る名言の数々を紹介します。 ※この記事は『もののけ姫』の重要なネタバレを含みます。 ※ciatr以外の外部サイトでこの記事を開くと、画像や表などが表示されないことがあります。

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「誰にも運命はかえられないが、ただ待つか自らおもむくかは決められる。」

『もののけ姫』

アシタカが生まれ育った村をまとめているヒイ様のセリフです。アシタカは右腕にタタリ神の呪いを受け、いずれはその呪いにより死ぬことが決定的となりました。そのまま座して死を待つか、それとも諦めずに抗うか。 ヒイ様はこの言葉でアシタカを励まし、彼の旅立ちを後押ししました。「いずれ死ぬ」という運命は変えられずとも、それを何もせずに待つのと、それまでに何かしようと動くのでは「生きる意味」が大きく変わってくる。アシタカだけでなく、すべての人々に当てはまる珠玉の名言です。

「戦、行き倒れ、病に飢え。人界は恨みを残した亡者でひしめいとる。タタリというなら、この世はタタリそのもの」

『もののけ姫』(1997年)

アシタカがジコ坊と初めて出会った夜に、ジコ坊がアシタカに語った言葉です。 かつては村が栄えていて、そこには人がいた。しかし、あらゆるものが人の命を奪っていき、そこには誰も残っていない。唐傘連や地走りを率いて、世界の闇をも良く知っているジコ坊ならではの、重みのあるセリフとなっています。

「曇りなき眼で見定め、決める」

『もののけ姫』

こちらは山の動物たちと敵対するエボシに対し、アシタカが放った一言です。エボシたちは毒のツブテを発射する銃を使用しており、それがタタリ神発生の原因になっているようでした。アシタカはその銃の秘密を自らの目で確かめ、私欲や私怨とは関係ない、曇りなき心でどうするか決めると宣言したのです。 その銃は人間たちが生きていくうえで必要なのか、そこまでして動物たちを退ける必要があるのか。人間と動物、どちらの立場も尊重したうえで決断を下したい。この名言にはアシタカの真っ直ぐな心がよく表れています。

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「賢しらに僅かな不運を見せびらかすな」

『もののけ姫』

「賢(さか)しら」とは、利口そうに振る舞ったり、物知りぶるという意味です。 アシタカが多くの民の前で呪われた右腕を見せびらかすように見せたエボシが放った言葉です。エボシはかつて、身売りされた子どもであったという過去があることから、アシタカの同情を誘うような青臭い行動に腹がたったのかもしれません。

「どうかその人を殺さないでおくれ。その人はわしらを人としてあつかってくださった、たったひとりの人だ」

『もののけ姫』

エボシ様に引き取られ、病と闘いながら生きるハンセン病患者のセリフです。差別の対象となり忌み嫌われることもあったハンセン病患者に対して、エボシは紳士的に対応していたことが分かります。人間の尊厳を確かに重んじる、野心的なエボシという人物の意外な側面を表しています。

「生きる事はまことに苦しく辛い。世を呪い人を呪い、それでも生きたい。どうか愚かなわしに免じて……」

『もののけ姫』

病者の長は、爪弾きものだったのをエボシに救われたという人物です。 ひしひしと伝わってくる、ただ「生きたい!」という強い思い。主要キャラクターではないですが、彼のこのセリフは観た人の心に刻み込まれます。この世界に生きていることがどれほど尊いことなのか、私たちに思い出させてくれる気がします。

「生きろ。そなたは美しい」

もののけ姫

サンとアシタカが初めて出会ったシーンの印象的な一言です。アシタカはタタラ場に乗り込んできたサンを助けるため、銃撃を受けながら彼女を逃がしました。その際に、彼の口からこぼれたのがこの言葉です。 アシタカは動物と敵対する人間や、人間に恨みを持つタタリ神、負の感情を抱える者たちを数多く見てきました。そんな彼の目には、人間でありながら自然と共存するサンがひどく綺麗なものに映ったのでしょう。アシタカは美しい生き様を貫くサンに対し、「死に急がず生きて欲しい」と願ったのです。 本作のテーマのひとつである「生きる」が強く反映された、作品を代表する名言と言えるでしょう。

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「木植エタ。木植エ、木植エタ。ミナ人間抜ク、木戻ラナイ。人間殺シタイ」

『もののけ姫』

森の賢者、猩猩(しょうじょう)。人間への憎しみを露わにする文明の犠牲者である彼らの存在は、現代で何不自由なく生きる私たちに疑問を投げかけます。

「黙れ小僧!お前にサンが救えるか」

『もののけ姫』

ヒロインのサンを育てた犬神モロが、サンを解放しろというアシタカに放った一言です。この言葉に込められているのは、浅慮なアシタカに対する深い怒りでしょうか。サンは人でありながら山で育った、人にも動物にもなり切れない複雑な存在です。 アシタカはその現状をどうにもできないくせに、「解放しろ」と自分の意見を押し付けてきました。モロはそれに怒りを覚え、「黙れ」と恫喝したのです。サンの置かれた状況をよく理解し、自身の手で守ると決意している。そんなモロだからこそ言える、親心があふれた名言です。 ちなみに、こちらの場面は声を担当した美輪明宏の名演もあり、作中きっての名シーンに仕上がっています。それにより「黙れ小僧」という名言はファン以外にも知られる、ジブリ映画内でもトップクラスの流行語となりました。

「わからぬ。だがともに生きることは出来る」

『もののけ姫』

犬神の言葉に対する主人公のアシタカの返答です。戦うのか、逃げるのか。どんなに辛くても、どんな方法を選んでも、「生きる」ことは出来るじゃないか。この言葉が、この作品の根幹を作り上げているのです。

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「天地の間にあるすべてのものを欲するは人の業というものだ」

『もののけ姫』

神に仕える身でありながら、神殺しを請け負うジコ坊。人間の果てしない欲望は、とどまることを知らないのでしょうか。そして、その罪を背負いながら人は生きているのかも知れません。分かっていながらも逆らう事が出来ない、ジコ坊が言うからこそ説得力のある名言です。

「アシタカは好きだ。でも、人間を許すことはできない」

『もののけ姫』

物語の終盤、アシタカのプロポーズに対しサンが返した言葉です。数々の戦いを経てアシタカと深い信頼関係を築いたものの、だからと言って人間すべてを同じように扱うことはできない。動物たちと共に育ったサンらしい、純粋で真っ直ぐな一言です。 また、この言葉に対するアシタカの「それでもいい。サンは森で、私はタタラ場で暮らそう」という返答もグッとくる名言。それぞれの立場や意見を尊重しながら、一緒に生きる道を探っていく。彼らのピュアな愛情が伝わってくる美しいシーンでした。

「ここをいい村にしよう」

『もののけ姫』

全てが終わった後のエボシは憑き物が落ちたように語った名言です。人が集まって出来るのが村であり、多くの人が1つのものをこれから作り上げていくことを表します。明るい未来を確かに感じさせられる言葉です。

『もののけ姫』の名言は人生の指針になる言葉ばかり

『もののけ姫』

映画『もののけ姫』の劇中から、心に残る名言を厳選して紹介しました。キャラクターたちから言い放たれるセリフの数々は、どれも深みのある言葉ばかり。人生の岐路に立たされたときなどに、ふと思い出し、人生の指針にしてみてはいかがでしょうか。