【最終回感想】「東京リベンジャーズ」はひどいしつまらない?評価の理由や打ち切り疑惑を考察してみた
タイムリープと不良という一見交わらないジャンルを組み合わせ、大ヒットを飛ばした漫画『東京リベンジャーズ』。トリッキーな設定や個性豊かなキャラクターで人気を博した本作ですが、その最終回はファンからの賛否両論を巻き起こしています。 この記事ではそんな話題の「東リベ」最終回を徹底解説!ラストの評価や打ち切り疑惑まで、根掘り葉掘り探っていきます。 ※この記事は『東京卍リベンジャーズ』のネタバレを含みますので、読み進める際は注意してください。
【ネタバレ】「東京リベンジャーズ」の最終回はどんなラスト?
お互いにタイムリープしていると気づいたタケミチとマイキー。2人は過去に舞い戻り、改めて歴史を改変していく「リベンジ」をしようと決意します。その結果、東京卍會は本来の創設メンバーにタケミチ・稀咲鉄太・三途春千夜を加えた9人で創設することに。 それにより少しずつ変わっていく運命。その先で行き着いた未来では、タケミチとヒナの結婚式が開かれていました。そこには死の運命をたどったマイキーの兄・真一郎の姿や、東京卍會創設メンバーのひとり場地圭介の姿も。 そしてマイキーはオートレーサー、ドラケンはバイクのメカニックと自身の道を見つけ成長。東京卍會でやんちゃをしていた少年たちは、立派な大人になりタケミチを祝福しました。誰もがそれぞれの幸せをつかむ大団円。物語は幸福に満ちたハッピーエンドを迎えるのでした。
【感想】最終回は都合がよすぎてひどい?
唐突なハッピーエンドを受け入れられない
『東京リベンジャーズ』には東京卍會のメンバーをはじめ、魅力的なキャラが多数登場します。そしてその誰もが重い過去を抱えており、ここまで想像を絶する苦労を重ねていました。 ですが最終回ではそれらすべてが「なかったこと」になるようなハッピーエンドに着地。これを受けて一部のファンからは「今までの話はなんだったんだろう」と落胆する声があがることに。 本作はキャラクターが魅力的で、尚且つそれぞれの物語も非常に完成度の高いものでした。それゆえに最終回のあっさりとしたハッピーエンドが受け入れられないひとも多くいたのでしょう。
未回収の伏線があって意味が分からない
本作はタイムリープという能力を活かし、過去と現代を行き来しながら歴史を改変していくSF要素溢れるミステリー作品となっていました。それゆえに作中には様々な伏線や謎が登場。 ですが、その多くが回収されないまま物語は終着。最終回を迎える以前にも多くのファンから「このままで全部の謎が解決されるのか?」という声があがっていましたが、その心配は見事的中するかたちとなってしまいました。 ミステリーの醍醐味はやはりその謎が「解決」される場面にこそあるでしょう。それを求めて本作を楽しんでいるひとが多かった中、伏線を放り投げられたまま終わってしまえば不満の声があがってしまうのは当然のことでしょう。
- 初めてのタイムリープの謎第1話のタイムリープはどうやって発動したのか
- 「道化」と「死神」とは半間修二が告げた「さて、語り明かそうか稀咲。死神と道化について」という言葉の意味
- タケミチを監視していた男の正体梵天のリーダーとなったマイキーを追うタケミチ。彼を監視していた男は誰なのか?
- 別にタイムリーパーがいるのか稀咲の「オレがタイムリーパーだと思ってんのか?」という発言の真意
【必見】「東京リベンジャーズ」最終回でドラケンは生きている?
メカニックとしてマイキーを支える
ドラケンこと龍宮寺堅は他のキャラクター同様、最終回の世界線で生きています。職業はマイキーのオートレースチーム「トップオブマンジ」のメカニックです。 オートレーサーであるマイキーにとって、マシンは命同然。そのメカニックをドラケンが担当しているということは、お互いに強い信頼関係のもと、マイキーが命を預けているような形です。 不良時代と形は違えど、ドラケンがマイキーを支えるという関係性が大人になっても続いていることがわかります。
ドラケンとエマの関係
過去には死亡してしまったマイキーの妹・エマも最終回では生きています。エマといえば、ドラケンとの両片思いの様子が描かれていました。 最終回でエマは専業主婦になったことが判明。隣にいるドラケンが「体調平気か?」とエマを気遣っている様子から、夫婦となったドラケンとエマの間に新しい命が宿っていることが窺えます。 2人がどのタイミングで結婚したのかは不明。ですが、エマの幸せそうな表情が2人の関係性を物語っています。
【黒幕】「東京リベンジャーズ」元凶は佐野真一郎?
平和な未来の前に立ちはだかってきたマイキーの抱える「黒い衝動」は、本作のいわばラスボスです。その「黒い衝動」を生み出した原因という意味で、マイキーの兄・佐野真一郎は黒幕といえるでしょう。 タケミチの前のタイムリーパーは真一郎でした。幼いマイキーが真一郎からのプレゼントが原因で事故を起こし、植物状態になって最後には死んでしまうというのが、本来の歴史だったのです。 絶望の中、タイムリープの力を手に入れた真一郎は、過去を変えてマイキーが生きる未来を生み出しました。
佐野真一郎と「黒い衝動」
真一郎はタイムリープ能力を持っていたホームレスの男を殺して、この力を手に入れます。タイムリープ能力を無理やり奪った場合、代償を払う必要がありました。真一郎の場合、代償はマイキーの「黒い衝動」という形で表れたのです。 物語はこの「黒い衝動」によって、何度タケミチがタイムリープを繰り返しても悲劇に見舞われました。最終的に、タケミチとマイキーが真一郎の生んだ負の連鎖を断ち切ったことで、全員がハッピーエンドを迎えます。
【結末】「東京リベンジャーズ」最終回で稀咲はどうなった?
稀咲の悪行とその最期
タケミチにとって宿敵であり、現代で橘日向や直人を殺し、マイキーが悪に染まるよう裏で糸を引いてきた稀咲。物語冒頭でタケミチを殺そうとしたのも稀咲です。 その悪行は数しれず、「8・3抗争」でのドラケンの殺害、「血のハロウィン」や「聖夜決戦」の画策、「関東事変」ではエマ殺害によるマイキー無力化やそこから連なる天竺を使っての東卍壊滅計画などを手引き。タケミチが悲劇をひとつ阻止する度に、次のタイムリープで新たな悲劇を生み出しました。 計画が全て阻止され追い込まれた稀咲は、タケミチと肉弾戦に。異様なまでにタケミチに執着し続けた稀咲は、拳銃を前にしても臆さず突っ込んでくるタケミチに怯み逃走。最期は横断歩道の上に立ち止まった際に、トラックに撥ねられて死亡します。
最後のループでの稀咲
最後の世界線では、タケミチが東京卍會の創設メンバーに稀咲を推薦したことで、タケミチとの確執や死の運命がなくなります。各種抗争には参謀役として参加しており、切れる頭脳を裏切りや陰謀ではなく、仲間のために振るったようです。 最終回で大人になった稀咲は、九井一と立ち上げた「TK&KOグループ」の副会長に。マイキーとドラケンのオートレースチームにスポンサーとして出資しており、健全な経営者となっています。
【その後】「東京リベンジャーズ」キャラクターたちの未来はどうなった?
佐野万次郎 | オートレーサー |
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龍宮寺堅 | メカニック |
松野千冬 | ペットショップ「XJランド」経営 |
場地圭介・羽宮一虎 | 「XJランド」社員 |
三ツ谷隆 | ファッションデザイナー |
河田ナホヤ・ソウヤ | ラーメン屋「双悪」経営 |
ぺー・パー | 不動産会社の社長と側近 |
千堂敦 | 美容師 |
山本タクヤ | 薬剤師 |
鈴木マコト | 実家の寺を継ぐ |
山岸一司 | 公務員 |
ついにタケミチとヒナが結婚!
最後のループで東京卍會が解散してから11年、2017年7月3日にタケミチとヒナが結婚式を執り行います。最初の世界では学生時代に別れて以降、疎遠となっていた様子ですが、この世界では2人がついにゴールイン。 2人が誓いのキスをして、多くの仲間達に祝われる中、タケミチが「みんなありがとう」と叫んで、物語は完結しました。
【疑惑】「東京リベンジャーズ」の最終回は打ち切りだったのか
多くの伏線が回収されないまま終わったことから、「打ち切り」疑惑も流れていた『東京リベンジャーズ』。しかしながらこれだけの人気作に、編集部は「打ち切り」という判断は下さないでしょう。 作者である和久井健もインタビュー内で「リベンジャーズというタイトルにした時点で、タケミチとマイキーで最後のリベンジをする展開は考えていた」という趣旨の返答をしています。このことからも、このラストは用意されたものだったことがうかがえます。 和久井健の手掛けた前作『新宿スワン』もストーリーが魅力的だったがゆえに、最終回で賛否両論を巻き起こした作品でした。『東京リベンジャーズ』でも同様の現象が起こり、最終回に対しての落胆の声があがったものと思われます。
【評価】最終回以外の「東京リベンジャーズ」は面白い?
手に汗握る展開と個性的なキャラが魅力
『東京リベンジャーズ』最大の魅力はタイムリープを軸に置いたミステリーと、不良たちの熱いバトルが同時に進んでいくスリル満点のストーリーでしょう。この斬新な設定に心をつかまれ作品にハマっていったひとは多いはず。 そしてそれと同時にファンの心をつかんで離さないのが、魅力あふれるキャラクターです。暗い過去を持ちながら信念を貫き生きる彼らの姿は感動必至。またオシャレかつかっこいいビジュアルも相まって、彼らは女性読者を中心に多くのファンを虜にしました。 ページをめくる手が止まらない展開と、見るものの心を揺さぶる熱い登場人物。この両輪で『東京リベンジャーズ』は社会的ブームを巻き起こしたのでしょう。
主人公に共感できないからつまらないという声も
自身の元恋人だったヒナを助けようと奔走し続けたタケミチ。しかしながら「元恋人のためにここまでするのか?」というほどの行動力に、読者からは「共感しづらい」という声があがることも。 またタイムリープにより「やり直せる」という意識からか、人の死に鈍感になっている様子にも共感しづらいという意見がありました。他のキャラがタイムリープという能力なしに必死で生きているからこそ、タケミチの行動や心境がやや浮いてしまった部分はあったのかもしれません。
【意見】「東京リベンジャーズ」読者の反応は?
賛成派
散々みんな死んじゃったし絶望してきたから、これくらい大団円でよかったと思う!みんなの笑顔が最後に見れてよかった。
マイキーかタケミチ、どっちか助からないと思ってヒヤヒヤしながら読んでたから、まさかの全員救済ルートで驚いたけど嬉しかったです。
やや駆け足だったけど、爽やかな読後感。最終章はもっとじっくり描いてくれたら嬉しかったけど、エマちゃんにまた会えたので満足。
反対派
そこまで戻れるんかい!タイムリープ設定がストーリーに振り回された感がなんとも消化不良。
希望ある終わり方だったけど、あまりのハッピーエンドがやや気持ち悪い。まあ、少年漫画だし希望は必要だとは思うけど個人的に微妙でした。
大団円に至る過程はそんなに端折らないでほしかった。全然納得いかないまま、大団円でごまかされてしまった感じがすごい……。
「東京リベンジャーズ」は期待が高かった分ひどいという声も
漫画のみならず、実写映画にアニメと様々な分野で大ヒットを記録している『東京卍リベンジャーズ』。 しかしながらその人気の大きさゆえ、ハードルの上がり切った最終回には酷評の声もあがっていました。気になる方は賛意両論あふれる最終回を是非ご自身の目で確かめてみてください!