「ワンピース」ゴッドバレー事件の真相とは？ロジャーとロックスが参戦した理由やシャンクスの出自について解説

108巻収録の1095話から1096話で概要が語られたゴッドバレー事件。これはウエストブルーに位置するゴッドバレーという島で、38年前に起きた大規模抗争を指しています。ここには海軍・海賊・天竜人など、作中における重要人物たちが勢揃いしていました。 海軍側の主力として参戦していたガープは、ここで終生のライバルであるロジャーと手を組み、当時最強の海賊団と称されていたロックス海賊団と対峙。ガープはこの戦いでロックスを撃破し、「海軍の英雄」と呼ばれることになります。 このように「ワンピース」の歴史上でも重要な出来事が起きていたゴッドバレーですが、この島は現在地図に記載されておらず、その海域から跡形もなく消え去っている様子。どうやらこの事件の裏には、物語の根幹に関わる重要な秘密が隠れているようです。

ゴッドバレー事件には上記のように、各勢力の重要人物たちが関わっています。 ここに記載のあるキャラ以外にも、ロックス海賊団からはエドワード・ニューゲート(白ひげ)やカイドウなどが参戦。また、天竜人の奴隷にはのちのち革命軍の主力となる、エンポリオ・イワンコフやバーソロミュー・くまが含まれていました。

ゴッドバレー事件のそもそもの発端は、天竜人たちによる「人間狩り」だったと明かされています。彼らは3年に1度、島民の命にスコアをつけて狩りをおこなう「先住民一掃大会」を開催していました。 どうやらこれは島から先住民を排除するついでにおこなわれる殺人ゲームだった様子。ゴッドバレーは豊富な資源に目をつけられ、その舞台に選ばれてしまったのです。 しかし、この大会が普段通りに進んでいくことはありませんでした。奴隷として連れてこられたイワンコフやくまたちの反乱、そしてロックス海賊団やロジャー海賊団の介入。この予想外の騒動により、ゴッドバレーで壮絶な戦いが繰り広げられることになるのでした。

前述したように天竜人による残虐非道な行為がおこなわれていたゴッドバレー。では、どうしてここにロックス海賊団が現れたのでしょうか。どうやら彼らは天竜人が海賊島ハチノスから盗んだ、とある宝を奪還しようと考えていた様子。 宝の詳細は明かされていませんが、作中にはこの宝を「いただく」と言ったビッグ・マムに対し、「お前は無意味だろ」とカイドウが反論するシーンが描かれていました。このやり取りから推測すると、宝の正体は「悪魔の実」だったと考えることができます。 ビッグ・マムはソルソルの実の能力者だったため、悪魔の実を手に入れても食べることができません。また、先住民一掃大会の賞品が2つの悪魔の実だったことからも、「ハチノスの宝＝悪魔の実」はほぼ確定だと思われます。

ロックスの過去を描いた1157話において、「ハチノスの宝」がシャクヤクだと判明しました！シャクヤクは九蛇海賊団の元船長で、周囲の男たちをとりこにする絶世の美女。その美貌にロジャーをはじめとする、数多くの海賊が骨抜きにされています。 彼女は海賊団を脱退したのち、ハチノスに匿われていたと発覚。作中の言葉を借りると、シャクヤクはそこで「この島の海賊たちにとって、失う事のできない宝」になったのだとか。 しかし、そんな彼女を天竜人たちが誘拐し、ゴッドバレーで行われる「先住民一掃大会」の賞品にしてしまいます。シャクヤクに惚れ込んでいたロックス海賊団やロジャー海賊団の面々がそれを知り、ゴッドバレーへ乗り込む流れになったのです。

ゴッドバレーで繰り広げられた戦いにおいて、ロジャーとガープがまさかの共闘。海賊と海軍が手を組み、ロックスを討ち取ったことが明らかになっています。当時最強とうたわれたロックス海賊団の撃破は大きなニュースとなり、ガープは「海軍の英雄」と呼ばれるようになりました。 しかしながら、ニュースで知らされたのはガープの活躍のみだったと言われています。ロジャーとの協力はもちろん、先住民一掃大会のことにもふれられず、この事件については「ガープの手によりロックス海賊団が壊滅した」ことだけが報道されていたようです。 ちなみに、ロックス以外の主要クルーは、ほとんどが逃げ延びることに成功した様子。もしかしたらロックスがその身を犠牲にし、仲間たちを逃がしたのかもしれません。

映画『ONE PIECE FILM RED』の特典内で、ゴッドバレー事件に関する衝撃の事実が明かされました。この騒動でロジャーは大量の宝を手に入れたのですが、なんとこの宝の中に赤ん坊だったシャンクスが紛れ込んでいたと言うのです。 当時の船員たちは大きな戸惑いを見せたものの、結局海賊団全員で彼を育てていくことに。シャンクスはロジャー海賊団に育てられ、そのまま彼らのクルーとして迎え入れられたようです。 しかし、ここでひとつの疑念が浮かんできます。シャンクスの親はいったい誰だったのでしょうか。「FILM RED」には、彼が「フィガーランド家の血筋」と匂わされる場面がありました。もしかしたらシャンクスはフィガーランド家の血を引く天竜人なのかもしれません。

ゴッドバレーに連れてこられた複数人の奴隷。その中にいたイワンコフと妹分のジニーは、賞品として用意された悪魔の実を奪い、その力を利用して脱走しようと提案します。同じく奴隷だったくまはこの意見に賛同し、イワンコフと共に実が保管されている島の中央へ移動。 ビッグ・マムや五老星などの襲撃を受け何度も窮地に陥りますが、くまはニキュニキュの実の力を手にし、仲間と一緒に島から脱出することに成功しました。 それから、イワンコフは船で広大な海へと旅立ち、くまとジニーはソルベ王国の小さな教会で暮らし始めます。それぞれの生活を謳歌するくまたちですが、そこから彼らは過酷な戦いに巻き込まれていくことになるのでした。

ゴッドバレーでおこなわれた先住民一掃大会の賞品になっていた悪魔の実は2つ。ひとつはくまが手に入れたニキュニキュの実で、もうひとつは龍に変身できるウオウオの実(モデル青龍)でした。 作中でビッグ・マムはカイドウに対し、「ゴッドバレーでおれがお前にそのウオウオの実の幻獣種をくれてやったんだ」と発言しています。 どうやらビッグ・マムはくまたちを襲撃した際に、ウオウオの実を手に入れていた様子。ただ、能力者だった自分が食べても意味がないため、彼女はカイドウに渡し恩を売ることに利用したのでしょう。

前述したように、ゴッドバレーでロジャーに拾われることになったシャンクス。彼の正体については「奴隷の子供説」や「先住民の子供説」が噂されていますが、やはり1番可能性が高いのは「フィガーランド・ガーリング聖の子供説」でしょう。 原作でゴッドバレー事件が描かれた際に、ガーリング聖は「見ていろ子供達…」とつぶやいていました。つまり、このときゴッドバレーには彼の子供がいたということ。 『ONE PIECE FILM RED』において、「シャンクスがフィガーランド家の血筋」だと匂わされた点も含めて考えると、シャンクスがガーリング聖の子供ということはほぼ確定だと思われます。

1158話に描かれた39年前の一幕にシャンクスの母親が登場しました。その人物はゴッドバレーで暮らしている、シャンクスそっくりの赤髪が特徴的な女性。ただ、父にあたるガーリング聖の姿はそこにありませんでした。 彼はこれ以前にゴッドバレーに滞在していたことが判明しているため、そのタイミングで子供をもうけ、自身はマリージョアへ戻っていたと考えられます。 この後の展開でガーリング聖とシャンクスの母が再会を果たすのですが、なんとガーリング聖は彼女を殺害。そばにいた赤ん坊のシャンクスと、双子の兄・シャムロックが泣き叫ぶ、何とも恐ろしい場面が描かれました。

ロジャーはゴッドバレー事件で大量の宝を手に入れていますが、その目的は別にあったと言われています。彼は島に上陸する際、「1年だぞ!!おれが一体どんな気持ちで過ごしたか」と意味深な発言をしていました。 ゴッドバレー事件から1年前、この時期はロジャーたちがログポースの最終地点「水先星(ロードスター)島」に到着したタイミングと一致しています。彼はここで最後の島が別にあると知り、のちのちラフテルと名付けられる最終地点へと到達することになるのです。 つまり、ゴッドバレー事件は水先星島からラフテルへ行くあいだに起きた出来事。それを考慮すると、ロジャーの目的は「ラフテルに到達するためのカギ」だったと推測できます。その正体は不明ですが、一説では「ロジャーの船に乗っていた巨大な卵がそのカギだったのでは」と噂されているようです。

地図からはもちろん、その海域からも消えてしまったと言うゴッドバレー。跡形もなく消失してしまったこの島が、実はゲッコー・モリアが根城にしているスリラー・バークになったのではないかと噂されているのです。 スリラーバークはゴッドバレーがあったウエストブルーから来たと言われており、スリラーバークの中にはゴッドバレーにあったものと似た建物も存在しています。 さらに、モリアが従えていた将軍ゾンビの中には、キャプテン・ジョンをはじめとするロックス海賊団のクルーらしきメンバーがいるのです。モリアは強靭なゾンビになる海賊たちの死体を求め、凄惨な戦いが繰り広げられたゴッドバレーに目をつけたのかもしれません。

海軍・海賊・天竜人、様々な勢力の中心人物が関わっていたゴッドバレー事件。 その詳細が次第に明かされ始めたものの、シャンクスの親やロジャーの目的など、未解決の謎も数多く残っています。これらの情報は今後の重要な局面できっと明かされていくはず。これからの展開に注目していきましょう！