空白の100年とはいつ何があった？日本史の元ネタまで徹底考察【ワンピース】

「ワンピース」の世界には重要な事件が起こっているにも関わらず、出来事が伏せられ研究も禁止されている時期があります。それが「空白の100年」です。 空白の100年に関しては、学者の研究や当時を知る人物の言葉で片鱗が明かされている程度。まだその詳細は、深い謎に包まれています。そこで本記事では「ワンピース」の物語でも重要な、空白の100年の真実を知っている人物や伏線を解説しながら、その真相や元ネタも徹底考察していきます！ ※この記事は「ワンピース」の重要なネタバレを含みます。

空白の100年に関して判明している事実は少ないですが、時期だけは800年前から900年前であると判明しています。 それ以前に起こっているのが古代都市シャンドラの繁栄やアラバスタ王宮の建設だと思うと、相当昔のことであるとわかりますね。

空白の100年は「ワンピース」の世界で後世に伝わっていない歴史です。その100年間で起こった出来事は知られておらず、世界政府によって研究も禁止されています。 考古学が栄えていた「オハラ」の学者達は、クローバー博士を筆頭に空白の100年の研究をしていました。しかし真相に辿り着いたところで世界政府に逮捕され、クローバー博士は研究によって浮きでてきた「ある巨大な王国」の話をしている最中に射殺されてしまいます。 ジョイボーイが存在した時代であることや、ラフテルに到達したロジャー海賊団も歴史の真実を知っていることは判明しているものの、未だその多くは謎に包まれている空白の100年。世界政府が研究を禁じている事実から、彼らにとって知られると都合が悪い歴史なのは間違いないでしょう。

空白の100年に起きた出来事で、やはり特に重要なのは20の王家と巨大な王国の戦いでしょう。最終的には20の王家が勝利していますが、歴史を隠蔽しているため確実に裏があるはずです。 また最新エピソードで判明した、高度な文明を築いていた事実も読者に衝撃を与えました……！

世界中に散らばっている「歴史の本文(ポーネグリフ)」。このポーネグリフにはいくつか種類があり、そのなかでも「真の歴史の本文(リオ・ポーネグリフ)」には空白の100年の真実が記されているのです。 ポーネグリフは800年前に光月家が生みだした物であり、後世に歴史を伝えるための物です。世界政府からすれば、これ以上ないほどの危険物でもあります。そのため世界政府は、古代文字やポーネグリフの研究を厳しく禁じているのです。 またポーネグリフは当時20の王家として戦いに参加していた、ネフェルタリ・D・リリィが世界中に散りばめたと明らかになっています。

空白の100年の真実を知る人物は非常に少なく、海軍元帥のサカズキですら知りません。しかし作中には、数人歴史を知る人物が存在します。 まず世界政府を統治する、イム様と五老星は知っているようです。また世界政府以外では、ラフテルに辿り着いたロジャー海賊団の面々と光月おでんは知っています。 他にオハラの学者たちも、独自に研究を進め信憑性の高い仮説を立てるところまでいきました。そしてその研究を受け継いだベガパンクも、相当詳しいレベルまで解読しているようです。

シャボンディ諸島でロジャー海賊団の副船長であるレイリーと出会ったとき、ロビンは過去に何が起きたのかを知っているのかと尋ねます。それを受けて、レイリーは「歴史のすべてを知った」「この世界のすべてを今話そう」と口にしていました。 つまりレイリーにとって空白の100年で起こった事件は、現在にも大きな影響を及ぼしていることなのでしょう。またラフテルを出航した後、ロジャーとレイリーは「俺たちは早すぎた」と話していました。 そのため現在にも影響を与え、尚且つ現代からでも対処できる問題が起こったと考えて間違いないでしょう。

ポーネグリフを解読したクローバー博士は、ある仮説を打ち立てます。それは「空白の100年が明けた直後にできたのが今の世界政府である」「浮かび上がった今は跡形もない巨大な王国の姿」という点から、「空白の100年は巨大な王国を滅ぼした後の世界政府が、不都合であるために揉み消した歴史である」仮説でした。 クローバー博士は後の世界政府となる組織が、卑怯な手段を用いて戦いに勝利したと思ったのでしょう。これを聞いた五老星はクローバー博士を即座に処刑したので、この仮説は当たっていると思われます。

以前から重要なワードとして登場している「Dの一族」。この言葉も、空白の100年と関係があると判明しています。 空白の100年で巻き起こった、巨大な王国と連合国の戦い。現在の世界政府の頂点に立つイム様は、もちろん当時でいう連合国側の人間です。そんなイム様が、ハッキリ「Dはかつて我々が敵対した者達の名」と口にしたのです。 そのためクローバー博士が突き止めた巨大な王国は、Dの一族が栄えた地だと考えて間違いないでしょう！

Dの王国と20の王国の戦いの詳しい内容は、未だ判明していません。しかし普通に戦い連合国が勝利したのなら、歴史を隠す必要がないですよね。つまり連合国は、何らかの卑怯な手段を使って勝利を掴んだのでしょう。 またベガパンクの話によると、世界政府はDの王国の思想を非常に警戒していたようです。差別や支配を見過ごす世界政府から考えると、その思想とはすべてを分け隔てなく接する「自由」なのかもしれません。

思想以外に気になるのが、Dの王国は現代以上に高度な文明を築いていた点です。 ベガパンクは800年前と同じレベルの文明を築くには、膨大な古代のエネルギーが必要だと語っています。そしてもしDの王国と連合国の戦いが、Dの王国の技術を横取りしたうえでの、連合国の卑怯な勝利で終了していたとすれば。当時最重要視されていたのは、それを動かす古代のエネルギーだったでしょう。 つまり連合国は技術の横取りという卑怯な手を使い勝利し、その火種は「自由」と「支配」で揺れた古代のエネルギーの使い道だったのかもしれません。

語り継がれない歴史である空白の100年ですが、いくら研究を禁止しているとはいえ、ここまで文明レベルが衰退しているのは不自然です。そう考えれば誰か、人々の記憶を消した人物がいると思うのが妥当でしょう。 おもちゃにされた人間の記憶が消え元天竜人のドフラミンゴが支配するドレスローザは、まさにこの世の縮図でした。そして直接記憶を消す能力を持っていたシュガーとイム様には、王冠やマントなどいくつかの共通点があります。 五老星が「歴史より消す灯」とも発言していたように、空白の100年はイム様が消した歴史なのかもしれません。

世界政府が歴史を秘密にしている理由は、ベガパンクが明言しています。それは「ある王国の思想を誰にも継がせないため」とのことでした。 上で考察したように、「ある王国の思想」とは「自由」だと思われます。世界政府は、行動や古代のエネルギーの自由を危険視しているのではないでしょうか。

ロジャーがラフテルに置いてきたとされるひとつなぎの大秘宝「ワンピース」は、作品の最初から登場している物語のゴールです。そんなワンピースは空白の100年に生きたジョイボーイが遺した物で、空白の100年についてのすべてを知れる「何か」であると判明しています。 ラフテルに到達した後のロジャーは、俺たちは早すぎたと語っていました。つまりワンピースは空白の100年に繋がり、時期も関係するお宝なのでしょう。

アラバスタ編でクロコダイルが探し求めており、初めてその名が登場した「古代兵器」。古代兵器はその中の1つであるプルトンが島1つを吹き飛ばすと言われているほどの、強大な兵器です。 古代兵器の在り処は空白の100年の歴史が記されている石碑と同じ、「ポーネグリフ」で後世に伝えられています。またしらほしの前にポセイドンとなっていた人魚姫は、ジョイボーイと面識があるようです。 古代兵器の存在も、空白の100年にとって重要なのは間違いないでしょう。

第1話から登場している悪魔の実は、バトルにおいても物語においても超重要な存在です。そんな悪魔の実は一体、いつどのように誕生したのでしょうか。 ルフィが食べた「ヒトヒトの実幻獣種モデル“ニカ”」に関して、五老星は800年間追い続けてきたと語っていました。つまり悪魔の実は800年前には存在し、さらにヒトヒトの実幻獣種モデル“ニカ”は確実に何かを起こしているのです。 もしかしたら悪魔の実の起源も、空白の100年と関係があるのかもしれません。

歴史のすべてを知ったおでんは、ジョイボーイが来るまでに開国をしなければと語っていました。そしてワノ国編終盤で、開国とはワノ国にあるプルトンの解放であると判明します。 またおでんの妻であるトキは、トキトキの実の能力を使い800年前から来た人物です。すべてを知りジョイボーイを待つおでんの行動、そして800年前から逃げてきたトキ。ワノ国も空白の100年とは切っても切れない関係であるようです……！

実は古代日本史には、「空白の四世紀」と呼ばれる時代が存在します。古代日本の出来事が記された中国の史書にて、三世紀中盤から413年まで倭に関する記録がされていないのです。 そしてこの期間に日本政府の原型となったとされる大和政権が誕生しており、その過程もわかっていません。また空白の四世紀が終了した中国の史書では、当時の5世代の天皇を「倭の五王」と呼んでいます。 この空白の四世紀の要素は、世界政府の元となる連合国、表面上は現代の世界のトップである五老星と非常に似ていますよね。この古代日本の歴史を紐解けば、空白の100年の真相もみえるかもしれません。

あくまで一説ですが、古代日本では大陸から渡ってきた弥生人が大和政権の前身を作りました。当時の日本で一大勢力とされていたのが、古代出雲です。しかし古代出雲は大和政権に敗北してしまいます。そして勝利した大和政権は自らを「天皇」とし、民衆を統べたのです。 この流れが空白の100年のモデルになっているならば、世界政府側は侵略者になります。そして自分達を世界の創造主としている天竜人たちも、化けの皮が剥がれるのを何よりも恐れているのでしょう。

世界史で空白の100年と似た歴史といえば、ナポレオンが起こした「フランス革命」でしょう。 王族や貴族のおこないにより、フランス王国の市民は苦しんでいました。そして後に市民が資本主義を目指して立ち上がります。 もし空白の100年の元ネタがこのフランス革命なのだとすれば、当時の時点でより権力を持っていたのは連合国側であったことになります。そうなのだとすれば空白の100年は、巨大な王国が戦いを起こした支配と反乱の歴史なのかもしれません。

原作で初めて空白の100年に触れられたのは、アラバスタ編の24巻218話です。 崩れていく建物の中で、コブラはロビンになぜ兵器の情報はないと嘘を吐いたのか聞きます。ロビンは自分が探していたのは「真の歴史の本文(リオ・ポーネグリフ)」であること、自分は歴史が知りたいだけであることを話しました。それに対しコブラは、「語られぬ歴史」という言葉を口にしたのです。 ハッキリと空白の100年と言われたわけではありませんが、これが空白の100年に言及する初めてのシーンでした。

考古学者となったロビンが「空白の100年」の研究をする仲間に入れてほしいと話します。

ロビンがサウロに「空白の100年」の研究がしたいと話します。

オハラは「空白の100年」を追った見せしめにするとスパンダインが話します。

オハラが打ち立てた「空白の100年」に関する仮説を五老星に話します。

ロジャー海賊団は「空白の100年」について知っているとレイリーが話します。

ロビンは魚人島が「空白の100年」の鍵を握っていると考えます。

ジョイボーイは「空白の100年」に実在したと判明します。

「空白の100年」の歴史はトンタッタ族も知りませんでした。

光月おでんは「空白の100年」の真実を知る人物でした。

ロジャー海賊団と光月おでんがラフテルに到達し「空白の100年」の真実を知りました。

「空白の100年」がある王国と20の王国の戦いの歴史であるとベガパンクから語られました。

「空白の100年」で20の王国と戦ったのがDの王国であること、真実を記したポーネグリフがネフェルタリ・D・リリィの失態で世界中に散らばったことがイム様の口から明かされました。

空白の100年には、後の世界政府が起こした非道な歴史が眠っている可能性が高いです。ルフィたちDの一族が敵対した巨大な王国の末裔なのだとすれば、いよいよ世界政府との正面衝突も間近なのかもしれません。 一体800年前から900年前に、世界では何が起こっていたのか。その事実が明かされる瞬間を、心待ちにしましょう。