映画「ワンピース フィルムレッド」をネタバレ考察!あらすじや感想も詳しく解説します
タップできる目次
- 「ワンピース フィルムレッド」のあらすじ
- 考察①:ウタは死んでしまったのか?
- 考察②:ラストシーンの意味は?
- 考察③:シャンクスの本名が判明?
- 考察④:ウタの能力・目的とは?
- 考察⑤:時系列はワノ国編後?
- 必見!注目ポイント6つを解説
- 来場者特典「巻四十億」の内容をネタバレ解説
- 「フィルムレッド」全編ネタバレ解説
- 本編では明かされなかった謎・疑問を考察!
- 感想・口コミ評価
- 【批判意見①】歌のシーンが多すぎる?
- 【批判意見②】ウタのキャラが受け入れられない?
- 【声優】主要キャラ・ゲスト声優を解説!
- 【再登場】その他登場キャラを解説
- 【主題歌】Ado×中田ヤスタカ「新時代」
- 【制作陣】監督・脚本を紹介
- 大ヒットした映画「ワンピース フィルムレッド」を要チェック!
「ワンピース フィルムレッド」のあらすじ
作品情報
かつて音楽の国として栄えた「エレジア」。ここで、世界の歌姫ウタの初ライブが開催されようとしていました。ライブ会場には何万人ものファンが詰めかけ、その中には麦わらの一味の姿も。 ウタの圧倒的な歌声で始まったライブ。しかし会場の中にはウタを金づるとして狙う海賊たちや、潜入捜査中のCP0のブルーノやコビーたち海軍も混じっていました。 歌うウタの姿を見たルフィは、彼女がフーシャ村で出会ったシャンクスの娘ウタだと気付きます。そしてそれが明らかになったことで、ライブ会場に混乱が起きてしまうのですが……。 ここからは映画「ワンピース フィルムレッド」本編の内容を詳しくネタバレ考察していきます。未鑑賞の方はご注意ください。
考察①:ウタは死んでしまったのか?
本編の中で、ハッキリとは死亡シーンが描かれていないウタ。果たして本当に死亡したのでしょうか? 結論から言うと、ウタ自身は死んでしまったと考えられます。 ネズキノコを食べ続け血を吐くウタに、シャンクスは赤髪海賊団の船医ホンゴウから受け取った薬を飲むように言いますが、彼女はそれを拒否。「世界のつづき」を歌うことで、人々をウタワールドから解放することを選択したのでした。 ウタは最期、消えゆくウタワールドの中でルフィに「麦わら帽子が似合う男になってね」と言い残します。海賊王を目指すルフィに、“新時代”への意志を託したということでしょう。 さらにエンドロールでは、世界中の人がウタのアルバムや歌を楽しんでいるシーンが流れます。そこには今までルフィたちが出会ってきた懐かしい面々も。 とにかく現実世界に苦しむ人々を、自分の歌で解放してあげたいと思っていたウタ。エンドロールを観る限り、彼女の目指していた“新時代”は、違う形で実現出来たとも考えられます。 ウタの歌を愛する者、そして“新時代”への思いを継いだルフィがいる限り、彼女の意志は死ぬことはないと言えるでしょう。
考察②:ラストシーンの意味は?
本作はエンディング曲が流れ終わった後に、ルフィが登場する本当のラストシーンが描かれます。彼はサニー号の船首に乗りながら、「海賊王に俺はなる!!」と高らかに宣言していました。本作ではお馴染みのセリフですが、彼はどうしてこのタイミングでこんな発言をしたのでしょうか。 実はルフィがこの言葉を発する前に、麦わら帽子を持つウタの回想シーンが差し込まれていました。そこに彼女の声は入っていませんでしたが、おそらくウタは本編終盤で登場した「麦わら帽子が似合う男になってね」というセリフを言っていたものと思われます。 ルフィはこの言葉に応えるために、「海賊王になる」と宣言したのではないでしょうか。彼はウタから託された思いを背負い、自身の壮大な夢を叶えること、そしてシャンクスに堂々と向き合える男になることを改めて決意したのかもしれません。
考察③:シャンクスの本名が判明?
今回劇場版での登場は初となった五老星。彼らの発言のなかで気になる言葉が飛び出し、話題となっています。 それは、ウタの存在を革命の芽として摘もうとする場面でのこと。五老星のひとりが「あの娘がフィガーランド家の血筋でもか?」と口にしたのです。 シャンクスの娘だと初めて知ったあとでの発言だったので、これはシャンクスの血筋が「フィガーランド家」であることを指していると思われます。 「フィガーランド家」が一体なんなのかはわかりませんが、五老星が存在を消すうえで考慮する事項であるということは、天竜人の家系だと考えるのが自然です。 また、「ゴールド・ロジャー」のように「フィガーランド」は「フィガーラン・D」を意味しており、Dの一族である可能性も捨てきれません。 いずれにせよ、今後の原作でこの謎が明かされるのを心待ちにしましょう。
シャンクスの育ての親はロジャー
さらに「フィルムレッド」で明らかになったシャンクスについての新事実は、シャンクスの育ての親が海賊王ゴール・D・ロジャーだったということ。 38年前に起きたロックス海賊団VSガープ&ロジャー海賊団による「ゴッドバレー事件」の後、ロジャーは奪った財宝に紛れ込んでいた赤ん坊のシャンクスと出会っています。 シャンクスが14歳の時にロジャー海賊団は解散し、その翌年にロジャーが処刑されて「大海賊時代」が始まりました。その5年後、赤髪海賊団の船で、故郷を海賊に襲われて両親を失った赤ん坊のウタを、シャンクスが見つけます。 その時、自身がロジャーたちに拾われた時の景色を思い出し「これも何かの縁か」とつぶやいていました。 まるで同じ境遇だったウタとシャンクス。ロジャーがシャンクスの育ての親となったように、シャンクスもウタの「父親」として7年間ウタを育てました。
考察④:ウタの能力・目的とは?
ウタは「ウタウタの実」の能力者です。ウタの歌を聴いた人々を仮想世界「ウタワールド」に導くことができます。ウタワールドでは現実の苦しみを忘れ、ウタが作り出す食べ物など衣食住に困らない世界が実現。ウタが眠るとウタワールドは消えて、人々は現実に戻ります。 ウタが世界を巻き込んだライブで立てた壮大な計画は、ウタの歌を愛する人々を過酷な現実から救い出し、ウタワールドという平和な仮想世界で永遠に一緒に生きるというもの。しかしウタワールドにあるのは精神のみです。 ウタは眠ってワールドを閉じさせないために、ネズキノコを食べ続けていました。それは現実のウタにとっては死を意味しますが、彼女は精神が生き続ければ死ではないと考えています。現実のウタが眠らないまま死ぬとウタワールドは閉じず、そこにいる人々の精神は永遠にそこで生き続けることに。 また、世界中が注目するライブを行うことで、シャンクスが気付いてくれる可能性にも賭けていました。ウタは最期にシャンクスに「ありがとう。ごめんなさい」と伝えたかったのです。
考察⑤:時系列はワノ国編後?
もともと「ワンピース」の映画は、原作と異なる世界観として進んでいました。しかし尾田栄一郎がプロデュースしている「FILM作品」は、原作ともリンクしています。 「ストロングワールド」の金獅子のシキの名は、原作でも伝説として登場しました。2020年12月には、尾田栄一郎自身が「ボチボチ動くかなー?赤い髪の男……!!」とコメントを残しています。 実際、「フィルムレッド」ではジンベエが麦わらの一味として初参戦している他、ゾロがワノ国でもらった刀「閻魔」を持っていたり、ナミがゼウスを引きつれていたりと、ワノ国編の後である要素が見受けられました。 しかしワノ国編で生死の分からない状態となったビッグ・マムが元気に登場していたため、これが本当にワノ国編の後なのか、はたまたビッグ・マムはやはり生きていたという新事実なのか判定が難しいところです。 さらにいえばパンフレットのルフィの懸賞金が15億から変わっていない点もあり、謎は深まるばかり。無理やり時系列を当てはめるならワノ国~鬼ヶ島討ち入りの間になりますが、あくまでもここはパラレル設定ということで理解しておきましょう!
必見!注目ポイント6つを解説
「フィルムレッド」注目ポイント
- ルフィがニカの姿に…?
- 親子というテーマ
- 赤髪海賊団が登場!
- ルフィとウタが12年ぶりの再会
- 物語の舞台は音楽の島「エレジア」
- 驚きの擬人化!サニーくん
①:ルフィがニカの姿に…?
ワノ国編のカイドウとの戦いで覚醒し、ギア5を発動させたルフィ。ゴムゴムの実が「ヒトヒトの実」という動物系の悪魔の実であることが判明し、ギア5とはヒトヒトの実「幻獣種 モデル“ニカ”」が覚醒した状態ということもわかってきました。 「フィルムレッド」はどうやらワノ国編の後の話であるため、ギア5に覚醒した後のルフィということに。今作のクライマックスで、魔王との対決においてギア4を発動させた後、一瞬ルフィがニカのような姿になっていました。 ニカとは、太古の昔に奴隷を解放すると信じられた伝説の戦士「太陽の神ニカ」のこと。眉や後ろ姿にその様相が現れており、どうやら魔王との壮絶な戦いの中で無意識にその力を解放させていたようです!
②:親子というテーマ
今回の映画「フィルムレッド」では“親子関係”が印象的に描かれていました。本作のメインキャラであるシャンクスとウタの父娘関係はもちろんのこと、クライマックスでのウソップと父親ヤソップの共闘もアツい展開でしたね。 ヤソップは、息子ウソップがまだ幼い頃にシャンクスと出会い、ウソップを置いて海賊として海に出ていきました。悲しい別れを経験した2人ですが、本作では見聞色の覇気を使ってナイスコンビネーションで魔王を追い詰めていきます。 シャンクスとウタは実の親子ではないものの、お互いを本当の父娘のように思い合っていました。シャンクスがウタの将来を思い、別れを決意したことで2人の間にはすれ違いが生じてしまいましたが、ウタのピンチにはしっかり駆けつけるシャンクス。これぞ親子の絆です。 またルフィとシャンクスもまるで親子のように息ぴったりな共闘を見せてくれましたね。直接会うことはありませんでしたが、魔王にトドメを刺した瞬間の2人のシンクロ率はさすがでした。
③:赤髪海賊団が登場!
本編でも未だ多くが語られていない赤髪海賊団が「フィルムレッド」に登場!これまでコマには登場しているものの詳細がよく分からなかった幹部たちも登場します。 なかでもアニメでは初めて声を発するライムジュース、ボンク・パンチ、ビルディング・スネイク、ホンゴウ、ハウリング・ガブ、モンスターはどんな人物かも含めて注目です。 シャンクスとルフィとの再会は漫画本編でも重要なイベントになるはずなので、やはりまだ本作で実現することはありませんでした。しかし今作での赤髪海賊団と麦わらの一味の共闘はアツかった! さらに今回劇中で12年前の赤髪海賊団の姿が登場しましたが、ロックスターを除くメンバーすべてがすでにこの頃そろっていたことがわかりました。
赤髪海賊団の真実
ウタが初めてのライブ会場として選んだエレジアはかつて「音楽の都」として栄えていましたが、12年前にシャンクスが率いる赤髪海賊団によって破壊されたと考えられていました。現在エレジアは廃墟となっており、生き残った当時の国王と幼い少女の2人は支援を受けながら暮らしています。 しかし実際に島を破壊したのは赤髪海賊団ではなく、エレジアに封印されていた歌の魔王・トットムジカだったのです。当時ウタがシャンクスについていくことになったため、島では盛大なお別れの祭が開催されることに。 その際に意志を持っていたトットムジカの楽譜がウタをそそのかして歌わせることによりトットムジカが顕現し、島で破壊の限りを尽くしたのでした。
④:ルフィとウタが12年ぶりの再会
ウタとルフィは、フーシャ村で一時期を一緒に過ごした幼馴染みです。 シャンクス率いる赤髪海賊団がフーシャ村に滞在していた期間、ウタも一緒に村で過ごしていました。幼いルフィとウタは良きライバルのような関係で、早食い競争の「チキンレース」などたくさんの勝負をしていたようです。 本作で2人は12年ぶりの再会を果たすことに。回想シーンではフーシャ村での2人の子供時代が語られました。 ウタはみんなが幸せになれる新時代を作ろうとしましたが、ルフィが考える「新時代」とはまったく違うもの。それでもルフィが幼い頃に描いた「新時代」の麦わら帽子マークをステージ衣装の袖に添え、その頃の気持ちが失われてないことも表していました。
⑤:物語の舞台は音楽の島「エレジア」
世界の歌姫がライブを開催するのは音楽の島「エレジア」。映画公開に先立ち公式YouTubeチャンネルでスタートしたウタによるショートフィルム「ウタ日記」でも、ウタがこの島について少し触れていました。(上の動画の2:23〜) やや曇った表情でウタはエレジアを「あんなことがあった」島と表現。エレジー(哀歌)を想起させる島の名前で、過去にこの島で悲しい事件があったことを物語っています。 そしてその通り、エレジアではウタの能力が引き起こした悲しい事件がありました。それがシャンクスとウタの絆を引き裂くことにもなってしまったのです。エレジアはウタの壮大な計画の実行場所ともなりました。
⑥:驚きの擬人化!サニーくん
「サニーくん」というサウザンド・サニー号が擬人化した生き物も登場します。ライオンのぬいぐるみのような見た目で、「サニー!」と喋ることも判明。「サニー」一言でいろいろな感情を表現しています。 サニー号が変身してしまったのは、ウタの能力。同じようにCP0のブルーノとハートの海賊団のベポもミニサイズになり、超キュートな姿を見せていました。 ルフィはサニーくんをかなり気に入っていたようで、最後に元に戻ったサニー号の船首に話しかけていましたね!
来場者特典「巻四十億」の内容をネタバレ解説
来場者特典第1弾として配布されたのがコミックス「巻四十億“RED”」。数量限定で全国合計300万部とのこと。 シャンクスといえば懸賞金40億4890万ベリーの40億円超えの男。そんなシャンクスメインの作品とあって、40億巻という特典に。映画のストーリーやキャラクター設定が描かれた1冊に仕上がっており、重要情報もてんこ盛りの内容です。
「巻四十億“RED”」の重要ポイントまとめ
- シャンクスとロジャーの出会いの瞬間
- シャンクスの覇気
- ブルーノ・カリファがCP0に移籍
- ウタが使っていた映像電伝虫はベガパンクの試作品
それではひとつずつ解説します。
①:シャンクスとロジャーの出会いの瞬間
シャンクスとロジャーとの出会いのきっかけはこれまで判明していませんでしたが、今回「巻四十億“RED”」で、シャンクスはゴッドバレー事件の際にロジャーに拾われて育てられたことが判明しました。当時のシャンクスは1歳。 特典にはロジャーとシャンクスの出会いの瞬間の下書き漫画が掲載されています。それは映画本編で描かれたシャンクスとウタの出会い方とそっくり。奪った財宝の中に紛れていたまだ赤ん坊のシャンクスをロジャーが発見し、育ての親となったのでした。 これに関しては原作にも伏線があります。漫画966話にてロジャーとレイリーたちがモモの助と日和を抱いて「赤ん坊なんて久しぶりだな!!」と発言しているのです。「赤ん坊」はシャンクスのことだったんですね。
②:シャンクスの覇気
「巻四十億“RED”」にはシャンクスの覇気の設定として「”見聞殺し” 気配のコントロールと未来を見せない」と書かれていました。つまりこれは“見聞色の覇気”を無効化できるということでしょう。 映画本編でこの能力を実行したシーンがあったかは定かではないですが、トットムジカの魔王との戦闘シーンではシャンクスの高レベルな覇気を堪能できましたね。
③:ブルーノ・カリファがCP0に移籍
映画本編ではコビーと協力しウタワールドに潜入していたCP9のブルーノですが、実はカリファと一緒にCP0に移籍したと「巻四十億“RED”」に書かれていました。 ちなみにエニエス・ロビーでルフィたちに破れた後のCP9の動向は、漫画の扉絵にて描かれていました。簡単にストーリーを解説すると、エニエス・ロビー後、CP9の面々はブルーノの能力でバスターコールから亜空間へ逃げたものの、スパンダムのせいで海軍から追われるはめに。 ロブ・ルッチの治療費を稼ぎつつなんとか故郷へと帰還した彼らは、一度は海軍に捉えられそうになりますが撃退し、船を奪って出港します。そして本編にてルッチとカクがCP0に昇格した様子が描かれました。
④:ウタが配信に使っていた映像電伝虫
ウタが自分の歌を発信するために使っていた映像電伝虫。本編では3年前に拾ったと描かれましたが、「巻四十億“RED”」では「海に流れてきたベガパンクの試作品」と書かれていました。
「フィルムレッド」全編ネタバレ解説
ここから先は映画「ワンピース フィルムレッド」本編の内容を、全編ネタバレ解説します。 まずは本作で判明した重要事項、考察ポイントをまとめました。さらに詳しく時系列順に解説していきます!
- ウタとシャンクスは実の親子ではない
- ウタはウタウタの実の能力者
- ウタの目的は平和で永遠な仮想世界
- シャンクスの本名が「フィガーランド・シャンクス」と判明?
- シャンクスの育ての親はロジャーと確定
①:世界の歌姫ウタの初ライブが開幕!
ルフィたち麦わらの一味は、世界中で愛される歌姫ウタが初めて開催するライブに足を運んでいました。開催場所は、かつて音楽の国として栄えていた「エレジア」。すでに何万人もの観客が詰めかけ、ウタの登場を心待ちにしています。 ライブが始まり、華やかな演出の中、圧倒的な歌声で「新時代」を歌ったウタ。その姿を見たルフィは、彼女がフーシャ村で出会った少女ウタだと気付き、ステージに飛び降ります。ウタもルフィに気付き、再会を喜び合いました。 ウタはシャンクス率いる「赤髪海賊団」の音楽家で、シャンクスの娘でした。ルフィがそれを明かすと、会場は大混乱に。ウタは海賊嫌いで通っており、その相反する事実にファンは動揺を隠せません。 混乱に乗じて、ウタを狙う海賊が乱入。さらにウタの力に目を付けたビッグ・マムがオーブンとブリュレを送り込みます。麦わらの一味はウタを守ろうとしますが、ウタは平然と「私は最強」を歌い出し、不思議な力を発揮して次々と邪魔者たちを五線譜の上に貼り付けてしまいました。
②:ウタが目指す「新時代」の秘密とは?
ウタの不思議な力はそれだけでなく、食べ物など観客が喜ぶものを次々と具現化させ、人々はすっかりウタの虜に。 そんな中、ウタは観客に“永遠にライブをし続ける”と宣言。「平和で自由な新時代で、ずっと一緒に楽しく暮らそう」と言い放ち、それに納得しない麦わらの一味をも五線譜に貼り付けてしまいます。 ルフィはシャンクスから「ウタは歌手になるため船を降りた」と聞いていましたが、実はウタはエレジアに1人残され、元国王ゴードンに育てられていたと明かされます。素晴らしい歌い手として成長したウタは、ある時海岸で新種の映像電伝虫を見つけ、世界に向けて自分の歌を届けるようになります。 電伝虫で「大海賊時代」の実情を知ったウタは海賊が荒らす世界と人々の苦しみに心を痛め、ウタの歌が救いだというファンの声を聞いて、今回の初ライブでとある計画を立てていました。 それはウタの能力で創り出す仮想世界「ウタワールド」に人々の心を“永遠に”生き続けさせること。それがウタが目指す「平和で自由な新時代」だったのです。
③:CPと海軍、ビッグ・マム海賊団と麦わらの一味が共闘!?
ライブ会場にはCP0のブルーノ、海軍特殊部隊のコビーとヘルメッポが潜入していました。世界政府はウタの能力を危険視し、ライブを注視していたのです。海軍元帥サカズキは危機感を募らせ、黄猿と藤虎をエレジアに向かわせていました。 実はウタの歌を聞いた者は現実世界では眠っており、精神だけがウタワールドに存在しています。ウタが眠るとワールドは終わり人々は現実に戻りますが、ウタが死ぬとワールドは閉じてしまい、人々の精神はそのまま閉じ込められてしまうのです。ウタは眠らないように「ネズキノコ」を食べ続けていました。 その事実を知るコビーはブルーノと協力し、麦わらの一味やオーブンたち、ローやベポ、バルトロメオなど海賊たちにも共闘するよう訴え、ウタの計画を阻止しようと動き出します。一方で黄猿たち海軍の大軍がエレジアに押し寄せていました。 暴走するウタが観客たちを操って防衛を始めたため、手こずる共闘軍。しかし人々の犠牲をいとわず海軍が発砲し始めたことで均衡が崩れ、ウタは最終手段である「トットムジカ」を歌って「魔王」を出現させてしまいます。
④:エレジアの悲劇の真実!哀しすぎるウタの過去
12年前、フーシャ村を拠点にしていた赤髪海賊団は、エレジアを訪れていました。そこでウタの歌の才能を見出した国王ゴードンは、ウタに音楽教育を受けることを提案。しかしシャンクスと海賊団が大好きなウタは離れることを拒みました。 ゴードンは最後になるならと国民とウタを交流させ、ウタはたくさんの歌を歌います。しかしウタの歌の力がエレジアに眠る禁じられた楽譜「トットムジカ」を呼び寄せ、歌の「魔王」を出現させてしまったのでした。 赤髪海賊団は魔王を倒しましたが、エレジアは焼け野原に。シャンクスはゴードンにウタを託し、「エレジアを破壊したのは赤髪海賊団」だと伝えるよう頼みました。ウタはそれを信じてシャンクスを、海賊を憎むように。 孤独だったウタは歌を通して世界の人々とつながることができるようになりましたが、1年前に偶然エレジアの悲劇を伝える当時の映像を見て、自分が引き起こした事件であることを知ります。罪を被ったシャンクスに会って謝りたい気持ちと海賊嫌いの歌姫という二面性が、ウタを今回の計画に導いたのです。
⑤:シャンクス登場!現実と仮想世界に分かれてルフィと共闘
麦わらの一味がエレジア城で見つけた「トットムジカ」に対抗する策は、現実と仮想世界の両方で同時に魔王に攻撃すること。それで倒せれば、現実と仮想世界をつなげることができるのです。 しかし世界の7割がウタの歌を聞いている現状、一体誰が現実世界で魔王を攻撃できるのか。その答えは「シャンクス」でした。現実のウタが絶望し、ルフィを剣で刺そうとした瞬間、シャンクスが現れます。 魔王に取り込まれてしまったウタを助けるべく、現実世界の赤髪海賊団と仮想世界の共闘軍が同時に魔王に攻撃。それを可能にしたのが、ウソップの父で赤髪海賊団の狙撃手ヤソップでした。ヤソップとウソップは見聞色により互いの視界を共有し、魔王への攻撃を指示します。 それぞれの世界で力を合わせて魔王を追い詰め、最後にシャンクスとルフィによる同時の一撃で魔王を倒すことに成功。ウタは解放され、シャンクスの腕の中に倒れ込みます。シャンクスはウタを渡すよう詰め寄る黄猿を覇王色の覇気で封じました。 ウタは最後の力を振り絞って、ウタワールドに囚われた人々を救うために歌い、彼らを現実に戻しました。
⑥:ウタの歌は永遠に人々の心に生き続ける
ネズキノコは食べると眠れなくなるだけでなく、数時間で死に至る恐ろしいキノコ。それを食べ続けたウタの命は尽きようとしていました。シャンクスは彼女を赤髪海賊団の船に乗せ、ルフィとも会わずに静かに別の方向へ進んで行きます。 目覚めたルフィは赤髪海賊団の船を見つめ、すべてを察してウタに想いを馳せます。 今回もシャンクスとルフィは再会することはありませんでした。ルフィが次にシャンクスに会う時は「海賊王」になった時!ルフィは自分の「新時代」を目指して航海を続けます。 世界中を巻き込んでしまったウタですが、そのきっかけは「苦しむ人々を解放したい」という純粋なものでした。ウタの歌はその後も聴く人を勇気づけ、心を癒し、永遠に生き続けていくでしょう。
本編では明かされなかった謎・疑問を考察!
ここからは『ONE PIECE FILM RED』では明かされなかった謎・疑問について解説します。
①:左目の傷のルーツは明かされず
シャンクスの左目に刻まれた3本の傷。原作にてこの傷は、元白ひげ海賊団であり親殺しをおこなった黒ひげ・マーシャル・D・ティーチが付けたと判明しています。 予告ではDに刻まれる傷が強調され、シャンクスの傷と重ねられていました。しかしこれはどうやらシャンクスとDの一族との関連性にフォーカスされたものだったようで、「フィルムレッド」で傷が付けられた経緯の詳細が明かされることはありませんでした。 シャンクスが傷について初めて触れたのは45巻ですが、傷自体は1巻の1話からありました。そして回想にて、ロジャー海賊団の見習いをしていた頃から黒ひげとシャンクスには面識があったと判明しています。 つまりシャンクスの傷が付いたのは、ルフィが船出をする本編より前のこと。これまで語られていない過去に何があったのか、重要事項であることだけは確かです。
ちなみに……
映画本編ではウタを拾った19年前の赤髪海賊団の様子が描かれましたが、当時のシャンクスには左目の傷は確認できませんでした。 つまりこの描写からは、黒ひげに傷をつけられたのはロジャー海賊団時の白ひげ海賊団との抗争のなかではなく、赤髪海賊団を結成したのちのことだということが分かります。
②:シャンクスとDの一族との関連性
タイトルの中で傷が付いているのは、Dの文字です。「ワンピース」において、Dは大きな意味を持ちます。 シャンクスの目に刻まれた3本の傷。そしてタイトルのDの文字に刻まれた3本の傷。これらは劇中でシャンクスとDの一族の関連性が描かれる事実を、暗示しているようです。 シャンクスは、いまだに敵か味方かも定かではない謎多き男。今作で判明したDの一族とのつながりは、ゴール・D・ロジャーがシャンクスの育ての親だったということでしたが、今後さらに新たな事実が明らかになっていくのかもしれませんね!
感想・口コミ評価
メインがシャンクスの娘で、その世界の歌姫ウタの歌をAdoが歌うなんて!4DXで観た感想は、ウタの歌声とリンクした4DX効果に圧倒されるということ。ミュージカルともまた違う、ものすごい音楽映画を観たような感覚です。戦闘シーンでの振れがすごすぎて、これまた圧巻。ルフィとシャンクスの共闘シーンは激アツでした!
赤髪海賊団が思ったよりもガッツリ出てきてくれてうれしかった!麦わらの一味と重なる演出もアツすぎる……。ウタのライブの演出や歌の魔王の姿は観ていて「あれこれ本当にワンピースか?」となりましたが、とにかくルフィとシャンクスがかっこよすぎて最高!ウタの感情描写も繊細で、思わずゴードンと同じ気持ちになり切なくなってしまいました。
漫画はところどころ読了&劇場版鑑賞は初めてのワンピース初心者ですが、かなり楽しかったです。ウタのライブに来たみたいに歌唱シーンで盛り上がっちゃいました!ウタとシャンクスの関係はめっちゃエモーショナルでちょっとホロリ。あとクライマックスの戦闘シーン、映像の勢いがすごくて終始「すご!!」とワクワクしてました。初心者も100%フルで楽しめて嬉しかったです。
【批判意見①】歌のシーンが多すぎる?
非常に高い評価を得ている本作ですが、一部では批判的な意見もあがっています。その代表的なものとして語られているのが、「歌のシーンが多すぎる」という点です。 確かに、この作品にはウタの歌唱シーンが多く描かれています。挿入曲の総数は7曲にものぼり、一般的なアニメ映画とは一線を画す数となっていました。これにより、「もっと映画のストーリーを楽しみたい」という意見や「もう少し歌を減らして欲しい」という声があがってしまった様子。 しかしながら、これらのシーンは美麗なアニメーションとAdoの力強い歌声で迫力満点の場面に仕上がっていました。歌とバトルがマッチするパートはむしろ本作最大の見どころのひとつ。他の映画にはない、唯一無二の魅力と言っても過言ではないでしょう。
【批判意見②】ウタのキャラが受け入れられない?
もうひとつの批判意見としてよくあがっているのが、「ウタが受け入れられない」というものです。彼女はシャンクスの娘であると同時にルフィの幼馴染でもあるという、非常に重要なポジションを担っています。しかし、原作にはその匂わせもなく、この映画で急遽登場したポッと出のキャラでした。 そのせいで「こんなメイン級のキャラがいきなり登場するのはおかしい!」という声があがってしまった様子。また、ウタは作中で周囲の人物を振り回す、少々メンヘラ感漂うムーブをし続けていました。これもまた、彼女が受け入れられないという意見に繋がっているようです。 しかしながら、ウタの可愛らしい姿や苦しむ人々を救おうとする健気な姿に、肯定的な意見も数多く集まっていました。特に作中で見せる美しくも凛々しい歌唱シーンには、絶賛の声もあがっています。否定的な声が目立ちがちですが、彼女に魅力を感じる人が多いのも紛れもない事実です。
【声優】主要キャラ・ゲスト声優を解説!
①シャンクスの娘・ウタ(CV:名塚佳織/Ado)
総合プロデュースを手掛けた尾田栄一郎が、「今僕らが作りたいキャラクターはこいつだ!!」とコメントを寄せていたオリジナルキャラクターがウタです。彼女はシャンクスの娘であり「世界の歌姫」。 彼女は3月のイベント内にてビジュアル解禁とともに「ルフィ、海賊やめなよ」というセリフが公開され、ファンを動揺させました。 本編では、歌姫としてさまざまな楽曲を披露してくれます。シャンクスの娘にして、ルフィの幼馴染でもあるウタ。彼女が描き出す新たな物語に注目してみてください。
ウタの声優はWキャスト!歌唱ボイスはAdo
ウタのキャラクターボイスは、名塚佳織とAdoの2名によるWキャスト!ボイスパートを名塚佳織、歌唱パートをAdoが務めます。 名塚は子役時代から活躍する実力派声優、一方Adoも歌姫役にふさわしい歌唱力の持ち主。どちらもタレント起用のゲスト枠ではなく、堅実なキャスティングといった印象です。 『交響詩篇エウレカセブン』エウレカ役など割とクールなキャラで知られる名塚ですが、映画に先立ち公開されている「ウタ日記」ではほわほわと可愛らしいウタを演じています。 普段は朗らかで、歌うと別次元の歌声を披露する……そんなギャップを味わえるのもWキャストならではですね。
②赤髪のシャンクス(CV:池田秀一)
映画本編にて重要な立ち位置として登場するのが、四皇にしてルフィの目標、赤髪のシャンクスです。シャンクスはウタに対し「離れていてもお前は一生俺の娘だ、ウタ」と声を掛けており、彼にとって彼女がとても大切な存在であることが分かります。 映画内では親としても海賊としてもかっこいいところを見せまくってくれたシャンクス。これまで原作でもあまり語られることのなかった彼の過去や、なかなかお目にかかれない戦闘シーンなどに注目です。
③謎の男・ゴードン(CV:津田健次郎)
ウタと共に登場するもう1人のオリジナルキャラクターが大柄な男・ゴードンです。頭には大きな傷を縫ったような痕があり、フランケンシュタインを彷彿とさせます。 容姿とは裏腹に貴族っぽい服装に身を包んでいる彼の正体は、元エレジアの国王でした。 ゴードンはシャンクスとウタの間にあった事件の真実を知っており、自らの責任感やウタへの強い思いを抱える人物です。 同役を演じるのは不気味かつ渋いキャラに定評のある津田健次郎。近年では『呪術廻戦』の七海建人役や『ゴールデンカムイ』の尾形百之助役が有名です。謎めいた雰囲気のあるゴードンにぴったりですね。
④クラゲ海賊団(CV:山田裕貴・霜降り明星せいや&粗品)
ゲスト声優として登場するのは俳優の山田裕貴と、お笑い芸人・霜降り明星の粗品&せいやの3人です。3人が演じるのはクラゲ海賊団で、船長・エボシ役を山田裕貴、船員のハナガサ役を粗品、カギノテ役をせいやが演じます。 本編では、彼らもウタのライブに参加。世界の歌姫、さらにシャンクスの娘でもある彼女の身柄を狙っていましたが、麦わらの一味やウタの能力によって阻まれてしまいました。
【再登場】その他登場キャラを解説
世界政府・海軍の面々
元CP9諜報員のブルーノとカリファが再登場。 ブルーノは上下緑色のジャージ姿で、ジャージにはUTAの刺繍と数点の缶バッジをつけています。どうやらウタの強火オタクのようです。 黒いセクシースーツの印象が強いカリファは、一転して白の服をまとっています。 海軍からもそうそうたる顔ぶれが登場。元帥のサカズキをはじめ、ボルサリーノ、イッショウと大将クラスが揃います。このほかG-1支部中将のモモンガや、ルフィと縁の深いコビーとヘルメッポも登場。 ブルーノとカリファはCP0に昇格していたことが本編にて判明。彼らの目的はウタの計画を危惧し偵察することで、麦わらの一味と共闘する結果となりました。
ローやバルトロメオの姿も
ウタは世界が熱狂する歌姫とあって、そのライブ会場には海賊も海軍も入り乱れていました。ライブ会場では海賊団バルトクラブの船長バルトロメオや、ハートの海賊団の航海士ベボの姿も。 ハートの海賊団船長のトラファルガー・ローはビタミンカラーの牛柄シャツというフェススタイルをお披露目しています。
ビッグ・マム海賊団の3人も登場!
ビッグ・マム率いるビッグ・マム海賊団から、次男カタクリ、4男オーブン、8女ブリュレの3人が登場! カタクリはスイート3将星の1人で兄弟随一の実力者。「モチモチの実」の能力者でルフィとは死闘を繰り広げた間柄です。オーブンは「ネツネツの実」の高温人間、「ミラミラの実」の鏡人間ブリュレは原作で麦わらの一味とのコミカルなやり取りが印象的でした。 映画本編では、オーブンとブリュレは麦わらの一味と、カタクリは赤髪海賊団と共闘を果たしました。なかなか原作では見られない組み合わせでとても新鮮でしたね!
【主題歌】Ado×中田ヤスタカ「新時代」
映画主題歌はウタの歌唱パートを務めるAdoの「新時代」。楽曲はヒットメーカーの中田ヤスタカが手掛けており、6月8日に情報解禁とともに配信シングルとしてリリースされました。 「新時代」は作中ではウタの代表曲としてライブの1曲目を飾ります。世界中を変えてしまえばいいと歌う歌詞にもぜひ注目したい楽曲。 6月15日からはアニメーター・イラストレーターとして活躍するhmngが手掛けたMVも公開されました。
ウタが歌う劇中歌7曲の情報も解禁
ウタは「新時代」含め7曲を歌います。全7曲を収録したウタのアルバムも発売され、リアルな音楽シーンも賑わせています。 注目は全7曲を異なるアーティストが手掛けている点です。「私は最強」をMrs. GREEN APPLE、「逆光」をVaundy、「ウタカタララバイ」をFAKE TYPE.、「Tot Musica」を澤野弘之、「世界のつづき」を折坂悠太、「風のゆくえ」を秦基博がそれぞれ担当。 バラエティに富んだ制作陣とあって楽曲のジャンルも豊富。それを歌で魅せるAdoの歌唱力を堪能できる映画にもなっています。
【制作陣】監督・脚本を紹介
本作の監督を務めるのは、『コードギアス 反逆のルルーシュ』など数々のヒットアニメを世に輩出した谷口悟朗です。 「ワンピース」初のアニメである、『ONE PIECE 倒せ!海賊ギャンザック』以来の起用である彼。コメントでは「あえて私に話が来たということは、もっと挑戦したい、もっと違う景色が見たいということなんだと思う」と話し、さらなる進化を見せてくれています。 脚本を手掛けた黒岩勉は「きっと多くの人の心に刺さる素晴らしい映画になるはず」と、作品に対する自信を語りました。 総合プロデューサーを原作者の尾田栄一郎が務めていることもあり、高いハードルを超えた最高の映画になっています!
大ヒットした映画「ワンピース フィルムレッド」を要チェック!
前作「ワンピース スタンピード」から3年ぶりの公開となった、映画『ONE PIECE FILM RED』。原作も佳境を迎えていることもあり、映画もロングラン上演されて大ヒットを記録しました。 この記事では「フィルムレッド」の内容についてネタバレを交えながら、詳しく解説・考察してきました。この記事を読んだ後、もう1度本作を観たくなってきた人や過去の映画を観たい人は、ぜひ動画配信サービスを利用してお得に楽しんでくださいね。 本作は2023年3月8日より、Amazonプライム・ビデオで独占見放題配信されます!